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学生時代の指導体験

大学2年の終わりごろからT塾の講師の仕事を始めました。
自分と数年しか年齢差がない高校生を教えることもあり、
教師という身分がこんなにも身近にあったとはそれまで気づきませんでした。

研修ってたった1日?

面接後、採用通知が来て最初に出勤したのは、某教室での事前研修でした。
印象に残っているのが「悪い教室の見本」と称したビデオを見せられたことです。
研修担当の人は「まあ、これは極端な例ですがね」と言っていましたが、
まさしくその通りで、受付のカウンター周りでだべりながら待っている事務パート、
面倒くさそうに個別授業をしながら、
「こんなのも分かんねーのかよ!」と暴言を吐く講師たちの映像でした。
こんなビデオに出演しただけで給料がもらえるなんて羨ましいとも思いましたが、
私だったら演技に身が入らないでしょうね。

しかし、単なるお笑いビデオではなく、こんな印象的なシーンもありました。

講師 「ダメです。あの生徒、やる気ないんです」
室長 「そのやる気を出させてあげるのが、あなたの仕事だよ」

生徒の成績が上がらないとき、
「生徒のせいにしていませんか?」
とまず自分に問いかけてみることが大切なんですね。

その後、「塾講師はどうあるべきか」「コミュニケーション能力とは」
といった話が2時間程度あり、この日の研修、いえすべての研修は終了でした。
翌週、教室に配属されて教務開始となりました。

自宅に最も近い教室に配属され、初出勤日は教室内のルールの説明と、
出勤できる曜日やコマ数などの設定をしました。
大学の授業や実験が多忙だったこともあり、
週に2日、合計4コマ程度にしておき、
教務可能な科目は数学と理科、
あと一応、英語も中学生なら教えられることにしておきました。

授業は自分のスタイルでOK

いよいよ管理人の初授業の日がやってきました。
教室に入ると先輩社員から次のように案内されました。

「じゃあ、今日は中3の○○君の数学をお願いします。
前回の授業で宿題を出されているので、その答え合わせからしてあげて下さい。
特に教え方に決まりはないので、自分の教え方でやっていいですよ」

この言葉は結構忘れられませんね。
塾の授業というと、決められた方針やガイドラインがあって、
そこから逸脱しないように慎重に授業をしなければならないイメージもありましたが、
案外自由なものです。
T塾は私服で勤務OKというだけあり、
就業規則もかなり緩めに設定されていたのかもしれません。
多くの塾では、授業のやり方は常識の範囲内であれば、
自由に決められると思ってよいでしょう。

中3受験生の理科を約1年間担当

初めて生徒に教えるときはさすがに緊張しましたね。
中3の小柄でおとなしい男子生徒であるにもかかわらず、
「宿題はやってありますか。じゃあ拝見します。合ってますね~」
みたいに妙に丁寧な話し方になっていて、
不気味な感じを生徒に与えたかもしれません。

その後、担当不在の生徒を何人か教えた後、
中3男子生徒の理科を続けて教えることになりました。
他に教えていた生徒ももちろんいるのですが、
途中で塾を辞めたりする生徒もいてあまり印象に残っていません。

その担当することになった中3男子はこれから高校受験をする生徒で、
どちらかと言えば勉強があまり得意でなく、
5段階の成績で3がほとんど、体育だけ4という程度の典型的スポーツ少年でした。
新人講師なのにいきなり出来の良くない受験生を担当。
といっても、そんなことはほとんど気にしませんでした。
もともとT塾が進学塾ではなく補習塾だったので、
学校の授業についていけるように指導すればよかったのです。
はっきり言って、受験を意識して授業することはほとんどありませんでした。

結果的にその中3生徒はあまり受験勉強を頑張れるタイプではなかったので、
県内の私立高校を推薦入試で受験し、面接と簡単な筆記試験を受けるだけで合格。
管理人としてはもう少し勉強を頑張ってほしかったのですが、
本人が充実した学校生活を送れるのならば、
そういうことにこだわる必要もないと思い、
約1年間担当してきた中3男子生徒とお別れすることになりました。

学習スケジュール作成が大変だった

生徒の学習スケジュールを作るという仕事がありました。
これは新学期が始まる少し前に作成し、学期末までの具体的な目標を記入して、
その目標を達成するためにやるべきことをスケジューリングするというものです。

たとえば、「12月の成績表の数字 (5段階) を4にする」という目標を立てて、
そのためには9月中はこの分野まで、
10月はこのテキストのこのページまで、
というように細かいスケジュールを作っていくわけです。
完成したら印刷して生徒と保護者に送られることになります。
ですので、思いつきの目標を記入するわけにはいきませんし、スケジュールも理にかなったものでないと確実にクレームが入ります。

この学習スケジュールを作るために、授業が終わった後も2時間くらい講師室のパソコンに向かって考えていたこともあります。
当時は個人情報保護法もまだ施行されていなかったので、
塾内のパソコンからファイルをフロッピーディスクにコピーして、
自宅に持ち帰ることも日常茶飯事でした。
そのため、塾内だけでなく自宅でも書類作成に励んでいたくらいです。

ちなみにこの学習スケジュールは1枚につき500円の報酬です。
泣けてきますね。
お金を稼ぐためなら塾の講師にはならないほうが絶対に賢明です。